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アニメ・シナリオエージェンシー 制作進行もデジタル化、アニメーターの働き方改革

2018年03月30日

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株式会社クリーク・アンド・リバー社

株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)で3D・2Dのアニメーション(アニメ)を制作するアニメ・シナリオエージェンシーは、オンラインストレージサービス Dropbox(米国Dropbox, Inc.)と、独自開発した制作工程管理システム「タスクビジュアライザー」【Webブラウザ工程管理表】を合わせた仕組みを2017年春より導入しております。これにより、外部アニメーターとの業務を効率化したほか、当社一部のアニメーション制作チームの残業時間を、年間で約30%削減することに成功いたしました。
アニメーション制作の現場では、手描き制作や原稿の手渡しが行われるなど、紙での制作を基準とした作業が数多く行われております。進行管理業務においても、進捗データは手入力で制作チーム全体に共有していることが多く、手間と時間がかかることから、長時間労働の一因になっていると言われております。
当社のアニメ・シナリオエージェンシーでは、このような状況を改善するため、2014年からアニメーション作画のデジタル化を推進してまいりました。併せて進行管理のデジタル化にも着手し、独自開発したシステムが「Dropbox」+「タスクビジュアライザー」 【Webブラウザ工程管理表】となります。
「Dropbox」+「タスクビジュアライザー」【Webブラウザ工程管理表】
dropbox.png
2018年2月10日(土)、「アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2018」にて、「ショートアニメの制作とツールを活用した効率的なデータの連携について」と題し、本システムの活用について当社アニメ・シナリオチームプロデューサーの石川学と、ディレクターの山下清悟が講演いたしました。
actf2018.png
本システムでは、オンライン(クラウド)上にある最新ファイルの状況を、自分のパソコン内のファイルにあるような感覚で参照できるDropboxの強みを活かしてフォルダを作成。一つのプロジェクトを「作品名フォルダ」、場面ごとの「シーンフォルダ」、画像ごとの「カットデータ」の3つの階層に分けて連番で管理・更新いたします。このDropboxのフォルダ内情報をプログラムで読み込み、Webで管理するツールが「タスクビジュアライザー」【Webブラウザ工程管理表】です。
一つの工程が終わり作業者がチェックすると、Dropbox内のデータが同期され、現時点の工程を保存。同時に次工程のフォルダに自動的にコピーされます。アニメ業界で長年使用されてきた進行管理用の封筒「カット袋」をデジタルで再現した作りとなっております。これまでのように、進行管理者が管理表に入力する手間が不要となっただけでなく、原稿の受け取り待ち時間や紛失、人の移動時間や交通事故のリスクも解消しております。
また、当社ではデータの上書きや消去、リネーム(ファイル・フォルダ名の変更)などの運用ルールを徹底したことで、アニメ・シナリオチームの作業効率は向上し、一部チームでは定時退社を実現しております。
本システムは、Dropboxの標準的な仕組みと一般的な表計算ソフトを活用した安価で簡易なシステムのため、中小規模が多いアニメ制作会社にこそ有用な仕組みです。当社は、アニメーターがクリエイティブ業務に集中できる環境を整え、誰もが働きたくなるアニメ制作現場の構築を目指し、日本のアニメ業界の発展に尽力してまいります。
【C&R社 アニメ・シナリオ エージェンシー】
2014年、シナリオライターやアニメーターやプロダクションをネットワークし、ゲームシナリオや2D・3Dのアニメーション制作を遂行するチームとして設立。デジタル制作に特化したアニメーション制作スタジオを持つほか、育成の場として「シナリオ塾」や「アニメ塾」、代々木アニメーションと協業したデジタル作画講座「YOANI」の開催している。2015年からは、自社IP(知的財産)の管理流通という、ライツマネジメントにも本格的に乗り出している。
 アニメ分野では、株式会社gumi『ドールズ・オーダー』オープニングアニメーション、株式会社モバイルファクトリー『駅メモアニメプロジェクト』、有名企業のアニメを活用したTVCMなどの制作実績を有している。
●C&R シナリオ・アニメ・エージェンシー <Twitter>
https://twitter.com/creekshinajyuku
●デジタル作画アカデミー <Facebook>
https://www.facebook.com/yoanidigitalacademy/posts/2065538833666221



この件に関するお問い合わせ

株式会社クリーク・アンド・リバー社 経営企画部

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